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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
 その一年後、亡くなった亭主の子を身ごもっていたおせんが赤児を生み、以来、たった一人で仕立物の内職をしながら子どもを育てているということ、云々。
 どうやら、おせんの亭主はどこかの直参旗本の次男坊か三男坊辺りであったらしい。
―御家人の家に生まれたって、跡を継ぐ長男でなけりゃア、次男であろうが、六男であろうが皆、同じことさ。一生、貧乏冷や飯食い。何番目かなんてことに、何の意味もありゃアしねえのよ。
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