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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第58章 《弐》
     《弐》

 その翌日の昼下がり。少し遅めの昼飯を取っていた維助は、弾かれたように顔を上げた。表から子どもの甲高い泣き声が聞こえてくる。尋常ではないその泣き方に胸騒ぎを憶え、急いで外に様子を見に行った。
 見れば、三、四人の男の子が女の子を取り巻いて、やいのやいのとはやし立てている。
「やーい、やーい、父(てて)なしっ子、父なしっ子」
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