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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
弥子はやつれ果てた女人の枕辺に座り込み、震える手を強く握りしめた。
「姫さま」
これが、あのお美しかった姫さまなのか。
頬もふっくらとして、うっすらと紅を引いたように愛らしかった姫さま。一見しただけでは、到底心ノ臓を患っているとは思えないほど健康的な美しさに輝いていた姫さま。
弥子は、変わり果てた貴美子の手を握り締め、そっと自分の頬に押し当てた。
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