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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第9章 《巻の四》
 無造作に花を突きだしたまま、泰雅はいつになく憮然とした顔で立っていた。
「泉水が気に入っていると河島より聞いていたのでな。持ってきた」
 ぶっきらぼうにも思える口調で言い、泰雅はその場に胡座を組んだ。いつも屈託ない泰雅には似合わぬ不機嫌な様子に、泉水の心は沈んだ。
―殿は、やはりお怒りになられているのだ。
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