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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
無理に屋敷の中に閉じ込めようとすれば、かえって反抗して外へ飛び出そうとするだろう。泰雅としては妻を屋敷の奥に閉じ込め、他の男の眼になぞ一切触れさせたくはない、自分一人のものにだけにしておきたいと思うのだが、そんなわけにはゆかない。
第一、はねっ返りのじゃじゃ馬姫をずっと縛りつけておくことなど誰にもできないし、また、泰雅自身も泉水のそういった伸びやかさ、風のように軽やかに吹き抜けてゆくような溌剌さを愛している。