この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
確かに良人としては、いつも心配させられっ放しではあるけれど、太陽のように眩しい笑みを向けられると、どうしても泉水の持つその明るさを奪いたくはないと思ってしまう。泉水としても、もう二度と泰雅に心配はかけたくないから、町へ出る際は極力用心に用心を重ねるように心がけていた。
今日の泉水のいで立ちは、むろん、例の若衆姿である。淡紅色の小袖に濃紫の袴、艶やかな黒髪を頭頂部で一つに結わえている。一見すると、小柄で華奢な少年のように見えなくもない。
今日の泉水のいで立ちは、むろん、例の若衆姿である。淡紅色の小袖に濃紫の袴、艶やかな黒髪を頭頂部で一つに結わえている。一見すると、小柄で華奢な少年のように見えなくもない。