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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
 腰にはやや小さめではあるが、刀をはいている。これは、荷車に轢かれるという事故の後、屋敷に帰ってきた泉水のために、泰雅がわざわざ作らせたものだ。女性の手にも扱い易いように小ぶりで、鞘や柄(つか)の部分に精緻な蒔絵細工が施されている。鞘には戯れ飛ぶ二羽の蝶、柄の方に咲き誇る牡丹の花が描かれている。
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