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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第15章 《巻の壱―幻―》
たとえ小さくとも、ひとたび鞘から抜けば、その刀身は澄んだ煌きを放ち、それが単なる飾り太刀ではないことを雄弁に物語っている。このひとふりの刀を手渡した時、泰雅は言ったものだ。
―町へ出るときには、これを持って行くと良い。俺がいつも傍についてやって、お前を守ってやれれば良いのだが、そのようなわけにもゆかぬ。もし、自分の身に災いが降りかかったり、危険だと感じたときには、これを使うのだぞ。きっと、そなたを守ってくれるであろう。
―町へ出るときには、これを持って行くと良い。俺がいつも傍についてやって、お前を守ってやれれば良いのだが、そのようなわけにもゆかぬ。もし、自分の身に災いが降りかかったり、危険だと感じたときには、これを使うのだぞ。きっと、そなたを守ってくれるであろう。