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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 嫌らしげな笑いに、下卑た視線。泉水が初めて見る男の表情だった。本能的な恐怖が身体の奥底から湧き上がってくる。
 その時、鋭い一喝が飛んだ。
「お前ら、止めねえか」
 声と共に現れたのは、旗本奴どもと似た年格好の若い武士である。
「何だ何だ、昼日中から因縁つけて、女を弄ぼうってえその了見が気に入らねえな」
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