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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第20章 《巻の弐―予期せぬ客人―》
あまりにも衝撃的な発言に、老中たちは顔を見合わせ、控えの間はしんと静まり返った。
道安の診立てでは、このひと月以内に意識が戻らなければ、将軍はそのまま逝去するだろうということであった。また、運良く一命を取り止めても、言語障害か何か―重い機能障害が後遺症として残るという。
―それでは、事実上、上さまが再び政務をお執りになるのは不可能ということではないか。
筆頭老中阿倍(あべ)定親(さだちか)は口惜しげに拳を握りしめた。
道安の診立てでは、このひと月以内に意識が戻らなければ、将軍はそのまま逝去するだろうということであった。また、運良く一命を取り止めても、言語障害か何か―重い機能障害が後遺症として残るという。
―それでは、事実上、上さまが再び政務をお執りになるのは不可能ということではないか。
筆頭老中阿倍(あべ)定親(さだちか)は口惜しげに拳を握りしめた。