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そのキスの代償は……
第7章 その日
そうやって、日々を乗り越えながら、月に1度の逢瀬を繰り返す。

私達はどこまでいっても所詮そういう関係。

そして、会社では課長と呼ばれているあの人と私は

ある日1泊2日で研修に行った。


今までもそんな研修があることは知っていた。

結婚する前1度行ったきりで、結婚出産後、

私にその話が回ってくることは一度もなかった…

というか、子どももいる身。

泊まりがけの研修なんて声がかかるわけがない。


今回はあの人が…

私を推薦してくれた。

研修は、関東のホテル。

そのまま、会社の経費でそのホテルに泊まる。

もちろん私たちはそれぞれ別の部屋を取ってもらった。

昼間は、何食わぬ顔をして一緒に研修へ参加し、

その夜、私の部屋は荷物だけおいて躰はあの人の元に行くのだろか?

それとも、あの人が来るのだろうか?


二人で遠くに行ったことなんて無論ない。

会うのは、月に一度ほど、あるかないかで、

それも夜のホテルの一室か…

平日の日中に上司部下としての会社か。


それなのに、なぜ突然今回私を誘ったの?どうして?


確かに勉強は必要だ。

でもそれ以外にあの人なりに思う所があるのだろうか?

それは私に降って沸いた夢のような時間だった。
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