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そのキスの代償は……
第1章 プロローグ
それからも、表面上は変わらない日常が続いた。
あの夜、手にしてしまった一度の快感のせいで、
満たされないもどかしさを、昼に夜に持て余す躰に、
なす術もないまま過ごすしかなかった。
あれから数日が経ったその日、
今日もいつもと変わらないはずのうんざりする日常が
続くのだと思っていた…
「おはようございます」
「相良君おはよう…」
あれ以来のあの人は、朝コーヒーを持って行っても、
仕事のやり取りをする際も、以前と全く変わらなかった。
こんなに意識してしまっているのは私だけなのだろうか…
気になるのに、気にしていない素振りをすることは
仕事をする以上に消耗する。
「相良君ちょっと…」
私が片づけをして自分のデスクに戻ろうとすると
あの人が呼び止めた。突然ドキドキし始めた鼓動。
何を期待しているんだろう…
気持ちを静めながら
「はい」
と返事をしてデスクに向かう。
「○○の案件、再度数か所修正が入ったから午前中に見ておけ。
午後いちで会議だ」
「はい。分かりました」
課長から差し出された書類を受け取り、自分のデスクに戻る。
普通はメモと、書類をデスクに置いてあって、
会話なしに仕事を進めるタイプの人なので、
直接言ってくるということは急ぎなのだろう…
と思った。
あの夜、手にしてしまった一度の快感のせいで、
満たされないもどかしさを、昼に夜に持て余す躰に、
なす術もないまま過ごすしかなかった。
あれから数日が経ったその日、
今日もいつもと変わらないはずのうんざりする日常が
続くのだと思っていた…
「おはようございます」
「相良君おはよう…」
あれ以来のあの人は、朝コーヒーを持って行っても、
仕事のやり取りをする際も、以前と全く変わらなかった。
こんなに意識してしまっているのは私だけなのだろうか…
気になるのに、気にしていない素振りをすることは
仕事をする以上に消耗する。
「相良君ちょっと…」
私が片づけをして自分のデスクに戻ろうとすると
あの人が呼び止めた。突然ドキドキし始めた鼓動。
何を期待しているんだろう…
気持ちを静めながら
「はい」
と返事をしてデスクに向かう。
「○○の案件、再度数か所修正が入ったから午前中に見ておけ。
午後いちで会議だ」
「はい。分かりました」
課長から差し出された書類を受け取り、自分のデスクに戻る。
普通はメモと、書類をデスクに置いてあって、
会話なしに仕事を進めるタイプの人なので、
直接言ってくるということは急ぎなのだろう…
と思った。