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そのキスの代償は……
第9章 その躰
「どうせ、最後にはお前も俺の思うようになるさ…

この世に永遠なんてない。

愛も…

金も…

人の命すらこの次の瞬間にはわからない。

だから欲しいと思うものは、どんなことをしてでも手に入れてきた。

あの女がいいと言っているなら…

何の問題もない」

その言葉に涙で濡れた目を見開いた。


この人は…

この人の心は…

なんて自分勝手で、とても哀しいんだろう…


私は怒りなのか悲しみなのかわからない感情に囚われ、口元が緩む。

胸が締め付けられるように苦しい。

それはあの人に対して抱く感情なのか…

疼く躰を、散々弄ばれているせいなのか…


戸惑い混乱するこちらの事なんてお構いなしに、濡れた舌先が、

さっき傷つけた噛み痕を丁寧に癒すように舐める。

そこを起点にくねくねと這い廻って、首のあたり、喉元を…

うなじを…

ゆっくりねぶる。


ソコは…

私の一番感じるところ。

ピチャピチャと厭らしい音を立てながら、

あの人の唇が、疼きで爆発しそうな躰のあちこちに火を灯す。


そうやって執拗に責められ続けると、

勝手に躰がいつものように、その先を期待してしまう。


蜜口にも口付けて欲しい。

搔き回して、突き挿して、擦りつけて欲しい。

あの、突き抜けるような、それでいて満たされるような快感が…

ホシイ。
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