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そのキスの代償は……
第12章 その後の二人
固形物を吐き終えて、胃液しか出なくなるまで…

吐いた。


酒の適量のわからない子どもじゃあるまいし…

でも今夜は飲みたかった。

酔いで自分の理性を…

意識に霞をかけていないと…

これからすることはできないと思ったから。


私にはそれすら許されないという事か?

でも、しらふで行くなんて到底無理で…

だからいつもと違ってそうしたのに…


本当に久々に酒の席で…

戻した。

でもそれは酒のせいではなくて、湊君のあの目を見てしまったからで…

その途端に猛烈な嘔吐感が襲ってきて…

逆らえなかった。


イヤだ…

自分が何がイヤなのかわかって、それでもまだ

このまま帰る気のない自分が…

心底イヤダ。


「ハアハアハアハア…」

やっと息を吐きながら硬く目を閉じその場にうずくまる。

まだ躰すらままならないのに…

これからの事ばかり考えてしまう。

これからあの瞳にまた囚われ犯されてしまうのだろうか…

無理やり求められることを快感だと思う自分は…

マゾなのだろうか?

そう思うと、躰の中心がじわっと濡れてくるのは…

本物の淫乱女だからなのだろうか?


次から次に湧いてくる疑問に私は答えを持っていない…

躰と心がちぐはぐでバラバラなのに時間は確実に流れていく。


呼吸がやっと落ち着いてきたので、口元を拭った。
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