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そのキスの代償は……
第12章 その後の二人
その言葉を聞いて…

また蜜が溢れた。

この人は、わかって言っているのだろうか?

それとも元々こういう人で…

まさか無意識?


日常とは違い、辱めて責められるような言葉を投げかけられ、

それを意識してしまうだけで濡れる自分。

私は淫乱で欲求不満。

奥様に雇われた欲を受け止めるだけの愛人という名の器…


「また考え事か?余裕だな…」

あのフレグランスの香りが近づいたかと思うと…

腕を掴まれ自分の掌を膨らみに宛がわれる。

「ここを弄られるのも好きだったよな?」

その手の上から包み込まれるようにあの人の熱い掌が重なり、

私の中指と薬指を割って…

蕾に中指の爪を立てた。


足を開いたまま胸に触れられて、心より…

訳知りな躰がこれから受ける快感の期待にブルッと震えた。

目を硬く閉じて、ソレに備え爪先までピリピリと緊張する。

早くチョウダイ。

それを…

その何もかも消し飛ぶような快感を…

それなのに…

その指は蕾の上で蠢くことはなかった。


「ハハハ…

つい触っちゃまうな」

爪が押しつぶしていた蕾を離れていき…

フレグランスの香りも遠のき、ギシっとベッドの淵に座り直す音がした。


「言っただろう?ここで見ていてやるから自分でイケと…」
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