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そのキスの代償は……
第13章 その変化
それぞれが内に孕む激しい劣情をぶつけ合う。

静寂を破るのはお互いの発する躰が激しくぶつかる音と吐息。

快感に身を委ね、淫欲に溺れ切って今の自分の置かれた立場を…

自分が母親だという役割も…

何もかもこの瞬間(ひととき)だけは脳裏から消し去った。


「いやぁ~、いやぁ~~~~、だめぇ~」

どんなに喰らいつこうともがいても、

はるかに巧みなのはやっぱりあの人の方で…

どれだけの女と躰を重ねればこんなふうになるのか…

私には想像できない。

何度も高められた感覚のその先に、また躰の奥から何かがやってくる。

それに対峙するべくソファーの端をしがみつくように両手で握り締めると、

躰が小刻みに震えてぽろぽろと数粒の涙が零れた。


これは…

これは一体何?

「イクぞ!!」

あの人が私の尻を、指が食い込むほど鷲掴みしたまま低い声で呻いた…

雄杭をこれでもかと打ち込まれた奥に感じるソレは

熱を孕んだまま私の膣(なか)でフルフルと小刻みに震えて

熱く煮えたぎる欲を吐き出す。

痛みを伴いながら、その熱が膜を通してでさえ伝わってきた。


私が欲しかったのはコレなの?

躰の膣(なか)に熱を抱きながら…

もう何度目かの白む視界の先に静まり返る意識の海が見えた。
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