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第13章 その変化

脳髄を突き抜ける快感をドロドロに溶けながら堪能し

意識の淵から底のない快楽の沼に滑り堕ちるようにダイブしたあと…

ゆっくりと熱が冷めていき漂うような心地良さの中で、

私は束の間の開放感を味わっていた。


心の奥底に隠していたはずの想いなんて…

もうどうだっていいじゃないの。

そんなものを後生大事にしたって、これっぽっちの足しにもならない…

誰かに愛して欲しいなんて望んだって…

そんな幸福は私の元には絶対に舞い降りない。

この期に及んでアイシテルかどうかなんて、論外だ。

これほどの快感がこの世にあることを、

この人は私に教え、この躰に何度でも刻み付けてくれる…


お金をもらい、アイジンでありさえすれば

これから何度でもこんな凄いものをくれるのだろうか？


奥様とあの人と私の間ではこの関係はあくまでもビジネスで…

それぞれが納得の上の事。

だからそれが例え世間的には許されない事なのだとしても、

もういちいち細かいことにこだわるのは辞めよう。


いつ終わるかはわからないけど…

この関係に存在するのは、刺激と快楽とお金。

望めばいつか夢見たことが叶うなんて…

そんなの嘘だ！！


感情なんて…

愛情なんて…

そんなモノはもういらない。