この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そのキスの代償は……
第14章 そのひと時
お金は必要なもの。
お金はあっても困らない。
それは別に犯罪を犯して手に入れたお金じゃない…
でも胸を張って表に出せるようなものでもない。
それでもお金がなくなってしまえば、
明日どころか今夜食べるモノにも事欠いてしまう。
誰しも全ての事に清く正しく美しくなんて生きてないし、生きられない。
貧しいことは…
お金がないことは…
人としての感情を…
理性を…
良心を…
段々と崩壊させてしまう。
私が私じゃなくなってしまう。
そのお金がどんなお金であっても、
レジで支払いをすればお金であることには変わりないのに…
そんなことはわかっていても、何かが私の心に引っ掛かる。
チクチクと痛み、躊躇してしまう。
それまでは私の躰に、心に何かを残すような関係だったのに…
でも今は会った証拠にお金が残るような関係に変わった。
考えないように努めて意識しても、その封筒を見ると…
その封筒を思い出してしまうと…
どうしても思考がそちらに向かって引き戻されてしまう。
考えないと決めたはずなのに、考え込んでしまう。
そして必ず自分の不道徳を責め、不条理で理不尽な世の中の呪ってしまう。
どうして…
どうしてなの?
どうして私が、私だけがこんな目に合うのだろうかと…
お金はあっても困らない。
それは別に犯罪を犯して手に入れたお金じゃない…
でも胸を張って表に出せるようなものでもない。
それでもお金がなくなってしまえば、
明日どころか今夜食べるモノにも事欠いてしまう。
誰しも全ての事に清く正しく美しくなんて生きてないし、生きられない。
貧しいことは…
お金がないことは…
人としての感情を…
理性を…
良心を…
段々と崩壊させてしまう。
私が私じゃなくなってしまう。
そのお金がどんなお金であっても、
レジで支払いをすればお金であることには変わりないのに…
そんなことはわかっていても、何かが私の心に引っ掛かる。
チクチクと痛み、躊躇してしまう。
それまでは私の躰に、心に何かを残すような関係だったのに…
でも今は会った証拠にお金が残るような関係に変わった。
考えないように努めて意識しても、その封筒を見ると…
その封筒を思い出してしまうと…
どうしても思考がそちらに向かって引き戻されてしまう。
考えないと決めたはずなのに、考え込んでしまう。
そして必ず自分の不道徳を責め、不条理で理不尽な世の中の呪ってしまう。
どうして…
どうしてなの?
どうして私が、私だけがこんな目に合うのだろうかと…