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第15章 エピローグ

そして俺は彼女をまっすぐ見つめた。

「ありがとう、ひな…

幸せになれ」

思わず口から出た言葉。それは俺の正直な気持ちだった…


転勤してきたとき…

カノジョにそっくりな姿のひなに出会った。

それは衝撃的で、しばらくは動揺を隠すだけで精いっぱいだった。

だからこそ俺は彼女とだけは深く関わりたくなかったし、

ましてやこういう関係になりたくなかった。


でも一緒に働く機会が増え、仕事上では無二のパートナーになる。

それでも同僚として上手く距離を保とうとしながら、

つい頼ることも多く…

油断していた。


彼女はそんな俺の感情を知ってか知らずか、

ある日突然予告もなく「躰を差し出す」と言って…

土足で踏み込んできてしまった。


だから、それを逆手にとって彼女とはそれ以後も

一定の距離を保ってきた。

「セフレ」という関係が色々な意味で後腐れないはず。

それなのにあいつが現れたことによって、彼女との関係が劇的に変化する。

やっていることは変わらないのに、そこにはお金が…

動く。

それを契約した関係。

あいつは、それを彼女に強いた。

しかし、彼女はそれを拒み…

俺は無理矢理説き伏せた。


それからの関係は屈辱的だっただろう。

それでも俺は手放せなかった。

それほど彼女に執着する自分がわからないままに…