この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
そのキスの代償は……
第2章 その想い
夫が出て行ってからしばらくは安堵する日々を送っていたが、
それも数か月が過ぎる頃、まずは一人で娘達を育てることを覚悟した。
もう帰って来なくてもいい。
あんな夫いらないと、殴られながらそう思っていたから…
それなのに…
夫はしばらく消えていただけで、家に舞い戻ってきてしまった…
そして、それは月に一度週末のことで、数回続いた…
いつ来るかわからない悪魔に、怯えながら暮らす週末。
その週末来たら、翌月までは来なかったから、
油断してはいけないと思いながらも、少しだけほっとしていた。
でも月を跨ぐと緊張感がいやがおうにも高まる…
ただ、帰って来なくなった時よりも、この時期ははるかに辛かった。
もしかして子ども達にその矛先が行くかもしれないことも、
私が暴力を受ける姿を子どもに見せなければならないことも、
嫌だった。
自分だけならまだしも、守るべきものがあるというのは
人生の支えであると同時に、重荷にもなる。
それでも、私はこの娘達を捨てる事なんてできない。
結婚当初は専業主婦だった母ですら頑張って育ててくれた。
私が娘達を放棄してしまったら、彼女達はどうやって生きていくのだろう?
この娘達は何を信じて生きていけばいいのだろうか?
せめて、せめて私だけでもこの娘達の親であろう。
母が私達姉妹にとってそうであったように…
それも数か月が過ぎる頃、まずは一人で娘達を育てることを覚悟した。
もう帰って来なくてもいい。
あんな夫いらないと、殴られながらそう思っていたから…
それなのに…
夫はしばらく消えていただけで、家に舞い戻ってきてしまった…
そして、それは月に一度週末のことで、数回続いた…
いつ来るかわからない悪魔に、怯えながら暮らす週末。
その週末来たら、翌月までは来なかったから、
油断してはいけないと思いながらも、少しだけほっとしていた。
でも月を跨ぐと緊張感がいやがおうにも高まる…
ただ、帰って来なくなった時よりも、この時期ははるかに辛かった。
もしかして子ども達にその矛先が行くかもしれないことも、
私が暴力を受ける姿を子どもに見せなければならないことも、
嫌だった。
自分だけならまだしも、守るべきものがあるというのは
人生の支えであると同時に、重荷にもなる。
それでも、私はこの娘達を捨てる事なんてできない。
結婚当初は専業主婦だった母ですら頑張って育ててくれた。
私が娘達を放棄してしまったら、彼女達はどうやって生きていくのだろう?
この娘達は何を信じて生きていけばいいのだろうか?
せめて、せめて私だけでもこの娘達の親であろう。
母が私達姉妹にとってそうであったように…