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そのキスの代償は……
第3章 その情事
唇は、そのまま太腿を彷徨って下の方に向かっていった。

左の足先まで行くと、薬指の付け根にチュッと口付けられる。

それから左足のかかとを持ち上げられ、グイと口元に引き寄せ、

「ここも感じるって知ってるか?」

私は何を言っているのかわからずに思わず足を引くが、びくともしない。

まずは親指を咥え込み、口の中でうごめく舌に転がされる。


変な感じ…

これって何?


美味しいものを頬張るような表情を浮かべるあの人は、

恐ろしいほど艶やかでぞっとした。

ずるずるに唾液が絡みつくまでしゃぶられ、

ちゅぱっと音を立てながら、唇から指が離れる。


人差し指…

中指…

順番に上目使いの瞳をこちらに向けながら嬲られる。

小指を含まれたころには、変な感じが

下半身をじわじわと疼かせるような感覚に変わる。


それから今度は小指から、指と指の間に長い舌が挿しこまれる…

「あっ…」

思わず声が上がり、私は掌でそれを塞いだ。

その間も舌がエロティックに左右に細かく動き、

ぬらぬらした指の周りを順番に親指に向かって這いまわる。

「んっ…んんっ!!」

唇を噛んで堪えようとしても、無駄だった…
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