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そのキスの代償は……
第3章 その情事
それだけでも、訳の分からない快感に、

自分がなくなってどこかに消し飛んでしまいそうになるのを、

なんとかとどめようと意識をやっと手繰り寄せていたのに…

あの人はその程度ではもちろん許してはくれなかった。


蕾を濡れた舌で嬲られながら、同時に蜜壷に指が

ゆっくりと挿し入れられてから…

抜かれた。



「ひやぁっ…んあっ…」

ズチュッ、グチュ、ズボッ、グチュ…

「あんっ…あぁっ…」

膨らんだ蕾を舌で押し潰されながら、滑らかな襞を擦りつける指の

抜き挿しが繰り返される。

部屋の中に響く淫らな水音が徐々に動きを早め、

その動きに合わせるように私は欲するままに腰を揺らしながら絶叫した。

「あぁあ…いやぁ~やめてぇ~」


しばらくそうやって私をいたぶりつくしたあの人は、

突然指を差し込んだまま、蕾から唇を少し外した。

「うそ。お前のやめてはもっとの間違いだろ?壊れてしまえ!

もっともっと淫らに、堕ちてしまえ!!」

そして、あの人はまた私に繰り返し強烈な刺激を与える。

とうとう耐えきれなくなり…

躰が高ぶって目の前が一瞬にして弾けた。


意識が飛ぶ。もう何もかも…

どうでもいい。

私はその夜初めて受ける責苦の快感に、また意識を完全に手放した。
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