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そのキスの代償は……
第4章 その事後
まだ、シーツに仄かに残っている煙草とフレグランスの香りを見つけて…
そこに鼻を擦り付ける。
その香りを思いっきり鼻腔に吸い込むと、
快感を与えてくれるその躰はもうないはずなのに、
その愛撫を思い出して躰が疼いて…
反応した。
あんなに昨日イッたのに、それでもまだもっと欲しいと思う私は…
本当に貪欲な女だ。
慈しむようにもう一息それを吸い込むと、
条件反射のように何度でも反応し、欲情した躰に切なさがつのる。
「アイシテル…」
私は思わずこぼれた言葉に驚いた。
あの人がいるときには決して許されない…
貪欲に何度も身体を重ねるたびに私はその言葉を、
心の中で繰り返し何度も叫ぶ。
でも、その言葉に音がのることは決してない。
そして…
おそらくあの人はそれを受け取ることは決してない。
それは望んでいないと最初に言われてしまったことだから…
あの人の望まないことはしたくない。
あの人にとって私は…
気まぐれで終わるかもしれないようなただの情事。
でも、置き去りにされた今このくらいは許してほしい。
もう少し…
もう少しだけ…
このままでいさせて。
私はしばらくの間、あの人の残り香に抱かれていた。
そこに鼻を擦り付ける。
その香りを思いっきり鼻腔に吸い込むと、
快感を与えてくれるその躰はもうないはずなのに、
その愛撫を思い出して躰が疼いて…
反応した。
あんなに昨日イッたのに、それでもまだもっと欲しいと思う私は…
本当に貪欲な女だ。
慈しむようにもう一息それを吸い込むと、
条件反射のように何度でも反応し、欲情した躰に切なさがつのる。
「アイシテル…」
私は思わずこぼれた言葉に驚いた。
あの人がいるときには決して許されない…
貪欲に何度も身体を重ねるたびに私はその言葉を、
心の中で繰り返し何度も叫ぶ。
でも、その言葉に音がのることは決してない。
そして…
おそらくあの人はそれを受け取ることは決してない。
それは望んでいないと最初に言われてしまったことだから…
あの人の望まないことはしたくない。
あの人にとって私は…
気まぐれで終わるかもしれないようなただの情事。
でも、置き去りにされた今このくらいは許してほしい。
もう少し…
もう少しだけ…
このままでいさせて。
私はしばらくの間、あの人の残り香に抱かれていた。