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そのキスの代償は……
第4章 その事後
それは、自然にしてしまった自慰行為によって

自分があまりにも愚かで馬鹿な女だったことを改めて

思い知らされたからで…

涙も出ない。

さっき快感で流れた涙に自分への愚かさを嘲笑う色はなかった。


躰がどんなに快感でうち震えても、蜜がどんなに止めどなく溢れても、

それは所詮表面上のもの…

生理的に感じる場所に刺激さえ与えれば女は濡れるしイケる。

それは誰よりもイイのがどこか、自分が一番よく知っているからで、

突き抜けるような痺れと心地よさは手に入れることができても

本当に欲しいのはそんなものじゃないのに…


目の前に広がる苦しい現実に疲れ果てている。

それでも私は…

1人ではないから…

守るべきものがあるから…

走り続けなければならない。


だから、ほんのひと時でもいいから誰かに優しく愛されたかった。

無条件に受け入れられたかった。

ただ甘やかされて、包み込んで欲しかった…


渇いた躰は、虚しいはずのその快感だけをいくらでも欲しがる。

達した時の何もかも真っ白になるようなあの恍惚感が

どうしても忘れられなくて…

虚しく辛い心とは裏腹に、躰はその秘め事に堕ちていった…
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