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そのキスの代償は……
第4章 その事後
私はキッチンから廊下を足早に歩き、

子ども部屋のドアを勢いよく開け放った。


「起きなさい!もう7時よ!!」

大声で叫んでみても、全く反応がない…

もう…

いったいどうする気なのだろう?

平日の朝はこんな感じでなかなか起きてこない…

本当にぎりぎりにしか起きない娘達に朝から辟易してしまう。


いつものことのはずなのに、今日はどうしてなのか

起きてこないことにむかっ腹が立って仕方がない。


「今朝は間に合わなくても送ってやんないんだから…」

投げやりな言葉を吐き捨て、バンッと大きな音を立ててドアを閉めた。


もうどうにでもしたらいい。本当にいつもいつも迷惑ばかりかけて…

怒りが収まらないままキッチンに戻った。


しばらくして、あわてたようにバタバタという音がして

「「お母さんおはよ」」

と着替えた二人は、何もなかったようにちょうど用意できた朝食を手に

椅子に腰かけた。

「「いただきま~す」」


私も自分の物をテーブルまで持って行き、娘たちの向かいに座って

手を合わせる。


カップを手にした時、突然鼻孔の奥に煙草の香りがよぎった気がして…

思わず固まり、目を見開いた。


その香りに…

自分の意思とは関係なく躰が疼いた。

私は動揺を押し隠し、何もない素振りでコーヒーを口元に運ぶ。
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