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そのキスの代償は……
第5章 その心
しかし、そうやって仕事がより充実し、
スキルアップをしている実感を持てているにもかかわらず、
私の心にはどこからか隙間風が吹いて、何かもの足りない感じを抱き、
虚無感に苛まれた。
男性に肩を並べるだけの仕事をこなせるようになっただけの自分が
果たして本当に幸せなのだろうか…
仕事帰り、幼子を真ん中に仲良く手を繋いで歩く若い家族を見た時
そう思ってしまったのが始まりだった。
日常見ることのある何気ない風景。
それなのに、その時の私には、なぜか胸が締め付けられ苦しくなった。
私は何を躍起になっているのだろう。
こんなはずではなかったのに…
正直なところ、働かなくても暮らしていけるなら、
その方がいいに決まっている。
私は根っからの仕事人間ではない。
もっと自分のための時間だって欲しい。
お洒落だってしたいし、旅行も楽しみたい。
でも、そんな余暇を過ごす余裕なんて、経済的にも時間的にも…
今の私にはない。
毎朝、毎夜、家事をしながら仕事をこなして、一人で子ども二人を育てる。
その繰り返しがどこまでなのだろう…
見果てぬ先の事なんて考えられない。
ただそんな忙殺された日常が続いているだけ。
スキルアップをしている実感を持てているにもかかわらず、
私の心にはどこからか隙間風が吹いて、何かもの足りない感じを抱き、
虚無感に苛まれた。
男性に肩を並べるだけの仕事をこなせるようになっただけの自分が
果たして本当に幸せなのだろうか…
仕事帰り、幼子を真ん中に仲良く手を繋いで歩く若い家族を見た時
そう思ってしまったのが始まりだった。
日常見ることのある何気ない風景。
それなのに、その時の私には、なぜか胸が締め付けられ苦しくなった。
私は何を躍起になっているのだろう。
こんなはずではなかったのに…
正直なところ、働かなくても暮らしていけるなら、
その方がいいに決まっている。
私は根っからの仕事人間ではない。
もっと自分のための時間だって欲しい。
お洒落だってしたいし、旅行も楽しみたい。
でも、そんな余暇を過ごす余裕なんて、経済的にも時間的にも…
今の私にはない。
毎朝、毎夜、家事をしながら仕事をこなして、一人で子ども二人を育てる。
その繰り返しがどこまでなのだろう…
見果てぬ先の事なんて考えられない。
ただそんな忙殺された日常が続いているだけ。