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やさしいキスをして?
第10章 番外編
『………//』
(二人きりになりたかったから…とは、口に出して言えない…)
『………//』
(啓太くんも、私と同じこと考えてくれてたらいいのに…)
《扉が閉まります。ご注意下さい。》
揺れる車内は、なんだか熱くて気恥ずかしかった。
『ねぇ啓太くん…』
『はい?』
『さっきの…耳打ちしてくれた言葉の意味、聞いてもいいかな…?』
駅を出てから、私はずっと気になっていたことを口にした。
『あ、ああ…//あれだけ言っても、意味が分かりませんよね。…向こうへ座って、少し話しましょうか。』
照れくさそうに頭を掻いた啓太くんは、公園のベンチを指差した。そこは、うちのマンションのすぐ隣で、ちょうど今は誰も居ない。二人でゆっくりするには、良さそうな場所だった。