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やさしいキスをして?
第12章 おまけ〈マドカ〉
『ところでマドカ、クリスマスはどうだったの?』
食後の紅茶を飲み干して、あさひはニンマリと目を細めた。
『マドカ達も、23日にしたんでしょ?今年はイブもクリスマスも、平日だもんね。』
この話題は、クラスの女子達の間でも流行っていたことで。25日が終業式のうちの学校では、早めにイベントを過ごすカップルが多いらしい。私達も、そのうちの一組だけど。
『…あ。それともこの後、二人で会う約束とかしてる?』
『ううん。今日から啓太くん、冬期講習に参加するから…大晦日まで会えないの。今日もチラッと廊下で見かけただけだし。二人きりで会うのは一昨日が最後かな…』
言いながら目線が落ちて、カップの紅茶を見つめる。自分でも気づかない位小さく漏れたため息に、あさひは敏感に反応した。