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やさしいキスをして?
第12章 おまけ〈マドカ〉
『…だから言っただろう。全く浅はかだな、君は。』
隣で溜息をつく啓太くんは、それだけ言ってスマホを切った。
『ゆうひくん、何て?』
『行きは良かったが、戻って来られないそうです。一応何とか掻き分けて、無理やり戻って来るようですが。』
『やっぱりね…』
年明けまで五分を切った頃。未だあさひ達は列に戻って来れずにいた。冷静に考えてみれば…ゆうひくんの病人作戦は、列を抜ける時にしか使えないもんね。今頃あさひ…カンカンだわ。
『電波も悪くてこれ以上連絡もつきませんし。もう、間に合わないと見るのが妥当だと思います。』
それで大人しく待機できる二人じゃないからなぁ…絶対無理くりこっちに向かってる気がする。