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やさしいキスをして?
第12章 おまけ〈マドカ〉
『ハッピーニューイヤー!』
『あけおめー!ことよろー!』
耳に弾ける、祝辞の数々。あちこちから沸き上がる歓喜の声が、新たな年の始まりを告げている。
『え、あの…?』
唯一、周りについていけない私の目の前は…真っ黒。手のひらに覆われた視界は、新年を迎えてなお閉ざされていて。
『ねぇ、啓太くんでしょ?なんで?どうして目隠しなんかするの?ゆうひくんは──』
今度は、口にまでも軽く手を添えられて。
そうして明からんだ景色の中、一番に飛び込んできたのは…
『明けましておめでとうございます。まどかちゃん…』
拗ねたみたいな表情の、啓太くんだった。