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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
『はあぁあ?!部屋が別々ぅ?!』
二階の私の部屋。先に荷物を整理したあさひとチエちゃんが、顔を覗かせた。
『お堅いのねぇ、ケータくん。』
『…いいの。啓太くんやっぱりそういうの、苦手みたいだし…』
本当はショックだったけど。駄々をこねるのも違う気がして…だって、せっかく皆との旅行なんだもん。
『そこっ、なに理解示しちゃってんのよ?!女心の分かんない堅物には、あたしから文句言ってやるからっ!』
勢いよく立ち上がったあさひを
『やめときなって。』
チエちゃんが制止する。
『あさひが口挟んじゃ、マーカちゃんの立つ瀬がないでしょ?』
『えーでもっ…!』
『はいはい、落ち着きな。どーどーどー。』
荒ぶるあさひを簡単になだめるチエちゃんは、さすが。私達の中で一番背も高くて、見た目も中身も大人っぽい。常に冷静で、感情型のあさひを目の当たりにしても、この通り、扱いはお手の物。