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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
『はぁ…何がダメなのかなぁー?』
みんなで釣りを始めて40分。私と啓太くんペアに当たりが来てないどころか…どのペアの釣竿も不動のまま、時間だけが過ぎていた。
『まあ僕ら、釣りは全員初心者ですからね。現実は、こんなものじゃないですか?』
隣で笑顔を見せる啓太くんは、いつも通り。さっきゆうひくんと言い争ってたとは思えない程、穏やかな顔つきでいる。
『ねぇ、さっき…』
『うん…?』
さっきのは何だったの?って、聞きたいけど
「ゆーひが言ってたように、今の話には触れないでおきなよ。」
啓太くんが部屋から出てくる前に、チエちゃんに口止めされちゃったんだよね。
『まどかちゃん?どうかした?』
『あ、ううん…それにしても皆、釣りはもうそっちのけって感じだね?』
7月という気候も手伝って、あさひとゆうひくんペアは既に、釣竿を放ったらかして川遊びに精を出している。