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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
『ちえみ〜焼けてるよぉ〜!!』
トオルくんの声にハッとしたチエちゃんは
『…やだ、アタシったら。何か変なこと口走った?酔っぱらっちゃったかな!』
すっかりいつもの調子に。
『とにかくマーカちゃん達はさ、いつ見てもラブラブなんだから。後は意思疎通だけできれば、コトは上手く運ぶわよっ♡』
パチッと色気たっぷりに片目を瞑って、お肉の方へ走って行く。…足元しっかりしてるし、全然酔ってる風には見えないけど…
『…どうぞ。』
ひょいと視界に現れた、匂い立つ器。入れ違いになった啓太くんが、目の前にお肉を突き出していた。
『ふふ、いー匂い!やっぱ最初はタンからだよね?いただきまーす♪』
『え、ははっ…そうですね。』
さっきまでの変な空気がウソみたい。
私はゲンキンにも、浮かれてお肉に箸を延ばした。その様子が啓太くんには笑えたみたいで、何かもう、それで元通りになれた気がする。