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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉


『…じゃあどうして?昨日は部屋を別々に、今日は急に帰ろうとして…何で時々、離れていこうとするの…?』


一番聞きたかったことを口にすると、啓太くんの肩が僅かに揺れて見えた。


『…………自信がないんです…』

『え…?』

『完全に邪魔が入らないとなると、今度は自分との葛藤なので…それが一番、信用ならないんです。』


静かに答えた後『最近は特に、抑える自信がありません…』そう言って、繋いだ私の手に口づけをしてくれた。


『こうして少しでも触れると、湧きあがってきます。もっと…もっと触れたいって気持ちが…』


手首、腕、肘、二の腕と…伝ってきた唇が、私の正面で止まる。


『近づけば近づく程、もっと君に触れたくなる。まどかちゃんの全部に…って。僕はもう、ずっとそう思っているんです…//』


じりっとするような、熱い視線。逸らせず、動けず、何も言えずに見つめ合って…


もしも今、キスをしたら…?


次に触れ合ったらきっと、何かが変わる…そんな不安定な緊張に包まれて……


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