この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
ブツン…!
あっ
『…また、落ちたみたいですね。』
声だけになった啓太くんが、黒い闇の中からそっと言う。びっくりした…!こんなドキドキしたまま見えなくなっちゃうなんて、なんか落ち着かない…
『こっ、今度もブレーカーかな?』
『うん多分…そうでしょうね…』
変な声になっちゃった。啓太くん黙っちゃうし…どうしよう。片手の温もりだけじゃ、すごく不安だよ。早く、目が慣れて啓太くんの姿を見たい…!
『今…僕が何を考えているか分かりますか?』
じーーーっと目を凝らしていたら、不意に。独り言みたいな声が、低く響いて。
『啓太くん……?』
『今…まさに葛藤してます。この後どうするかって…。この手を離してブレーカーを上げに行くか、それとも…』
カッ…と光った空の明かりで、一瞬だけ目が合った。
その次の瞬間────