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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
見えなくなった啓太くんの背中。
外の音がようやく耳に入ってきて、一人ベッドの上、急に寂しくなってきた。
『け、啓太くん…』
起き上がって呼びかけるも、返ってくるのは不気味な空の音。
『帰るの…?帰らないよね?』
暗闇で。
呑まれそうな物寂しさが辺りを包んで。
『帰っちゃやだ…
このまま一人なんて、私っ…』
膝を抱えて、布団にくるまっていると…
『お待たせしま…あれ、まどかちゃん?』
携帯片手に戻ってきた啓太くんは
『どうしたの、具合悪くなった?
水かなんか取って…』
また離れて行こうとする。
『行っちゃイヤ!』
『えっ…ううわっ!』
無理くり啓太くんを引っ張って、ベッドに倒れ込む。その拍子に、啓太くんの顔が胸に埋もれてしまった。