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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
『………いっ!』
漏れた悲鳴は、啓太くんのもの。
『え……あっ!』
啓太くんの腕についた、真新しい引っ掻き傷。顔を歪ませるその原因を作ったのは…紛れもなく私の指だ。知らずのうちに力んで…!
『ごめんなさっ…!』
急いで離した両手を
『大丈夫…もっと思いきり、爪を立てても構わないから。』
すかさず掴み、そのまま自分の首に巻きつけて。
『でも…っ』
『これでも男だから。女の子の力には耐えられるよう、ちゃんと出来ているものです。』
何でそんなに優しく笑うの…
ケガさせて、雰囲気も壊しちゃったのに…
『まどかちゃんの痛みを、僕にも分けて欲しい…だからちゃんと掴まっていて下さい。』
耳に寄せた柔和な声は、私を深く包みこんでくれた。