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雨と殻
第2章 天気雨
◇3◇

何度目かの雨続きの日に、産み親は、黒に言った。
「今日は、親になるやり方を、教えるから」
少し離れてついておいで、と言いつけ、歩き始めた。
地面や草の上で雨粒がはじけ、ばらばらの小さな粒になり、あたりを白く光らせる。
象牙色の背中を見失わないよう、黒は一生懸命ついていく。

産み親の前方に、だれかが現れた。
……知らない、おとなだ。黒は思わず立ちすくむ。

産み親は、そのおとなと何か話している。そして数回相手の腕や顔を撫でると、相手は困ったような、不思議な顔をして、産み親にしがみついた。



鈍い灰色に焦茶の混ざる殻。淡い白肌に、瞳は灰色。
「……名前は、曇」
相手の言葉に、黒の産み親は思わず笑う。
笑いながら、抱いた背中を撫で上げる。
「ぴったり、すぎるね」
背中からうなじを経て、耳へ。
「まあね……そっちは?」
曇は横を向き、象牙色の手に唇を沿わせて、問う。
その唇に自分の唇を寄せ、黒の産み親は応える。
「私は、霞」
「……いまいちだね」
応えず、唇を重ねた。
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