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トラワレテ…
第5章 欲情
「馨さん。あのぉ…どこに向かってるんですか?」

「ん?あぁ。それは着いてのお楽しみ♬かな?」

「ふふっ。ミステリーツアーですねっ。楽しみです♬」


他愛ない会話を交わしているうちに、外の景色が変わった事に気づいた。


「わぁー!海だぁ〜♬」

「この近くに、知り合いのカフェがあるんだ。そこでお昼にしよっか?」

「はいっ!」


馨さんは海沿いのオシャレなカフェに車を止めた。



車を降りると、あたりは潮の香りがした。




ウッドデッキを抜け、馨さんについてお店の中に入ると、マスターらしき人が声をかけてきた。


「いらっしゃ…おわっ!馨じゃねーかよ!」

「遼さん!お久しぶりです!」

「なんだよ〜!暫く見ないと思ったら、カワイイ彼女連れてちゃってよ〜!」


(か、彼女って…///)



照れて聞こえない振りのユリをよそに、馨さんとマスターはわいわいと盛り上がっている。

「シーっ!遼さん!まだ違うから!!ま、俺は…そうなって欲しいケドね。」

「お!なんだなんだ?馨にしては珍しく慎重じゃねぇか。変なもんでも食ったか?!クックックッ。」

「勘弁してください……///」





マスターに脇腹をつつかれながら馨さんとマスターがユリの方へ向き直った。


「ユリちゃん。こちら遼さん。俺の大学ん時の先輩。」

「は、初めまして…///山内 ユリと申します。」


「ユリちゃん。ヨロシクね!さ!どうぞ」


遼さんは慣れた手つきでユリの椅子をを引き、海の見えるテラス席に案内してくれた。


「わぁ!目の前が海なんて、素敵なお店ですね!」

「ありがとう!ま、趣味みたいなもんだけどね〜。馨は?いつものか?」

「うん。ユリちゃん、何でも好きな物頼んでね。」

「あ…じゃ、なんかオススメの物で…。遼さんにお任せします!」

「おっけぇ〜!ユリちゃん嫌いなモノは?」

「特にないです!」

「よし!お任せあれ!」



イタズラっ子の様な笑顔で微笑むと、遼さんは店内に戻っていった。

























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