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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
 瑶子はその夜、一人で眠るには大きすぎる豪奢な夜具で悶々として過ごすことになった。朝まで眠れず、幾度も床の中で寝返りを打った。雪は一晩中、降り続いたらしく、雪の降る音があたかも心の奥底にまで響いてくるようであった。
 しんしんと雪は庭に降り積もり、瑶子の心にも積もってゆく。瑶子の心をその夜、覆い尽くしたのは何という名の感情であったのか。それは瑶子自身にも計り知れなかった。
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