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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ

そこで、瑶子は奇妙な心もちになっているのを感じた。我が身が心に想うは惟章だけ。だからこそ、今宵、頼経に抱かれることなく済んだのはむしろ幸いだった。宿命と諦めてはいても、次に惟章にあいまみえるときも、これまでの綺麗なままの自分でいたい。
そう何より願っているはずなのに、頼経が自分に触れなかったことについて安堵だけではない何かを感じている。それは言葉にするとしたら、恐らく〝落胆〟。肩すかしを喰らわされたような気持ちといえば正しいのかもしれない。
そう何より願っているはずなのに、頼経が自分に触れなかったことについて安堵だけではない何かを感じている。それは言葉にするとしたら、恐らく〝落胆〟。肩すかしを喰らわされたような気持ちといえば正しいのかもしれない。

