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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
「康正どのの早くに亡くなった娘御は哀れでしたれど、菊乃がいて本当に良かったことです。聞けば、菊乃とその亡くなったという娘御はよく似ているとか、母違いとはいえ、流石に姉妹でございますね」
「ああ、確かに菊乃はよく似ている。時々、間違えて、その名を呼んでしまいそうになるほどに」
 その刹那、頼経の瞳がまた翳ったように見えた。頼経が何かの想いを振り切るかのように首を振った。
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