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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
 鏡に映るのは、いくら菊乃が美しく装わせてくれても見映えのしない垢抜けない娘だ。化粧と衣装である程度はごまかしているが、頼経には冴えない娘だと思われていることだろう。別に惟章が美しいと言ってくれればそれで良いはずなのに、どうして形だけの良人の眼がそんなに気になるのか。瑶子自身も自分の気持ちを持て余している。
 化粧をしても、さして変わり映えのしない地味な顔をうんざりとして見返す。
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