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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
「ご心配なさいますな、御所さまにそのようなお方は今も昔もおられません。御台さまをお迎えになるずっと前から、毎夜、表のご寝所でお一人で朝までお過ごしにございますよ」
「私ったら―」
 熱くなった両頬は紅くなっているに違いない。あまりの恥ずかしさに、穴があれば隠れてしまいたいかった。だが、一度開いたお喋りな口はなかなか止まってくれない。
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