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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
「え? 私は天女が舞い降りたような美貌じゃないわ」
 今に語り継がれる竹御所の美貌を形容する言葉を思い出しながら反論を試みる。と、菊乃の美しい面に笑みがひろがった。こうして見ると、菊乃の方がよほど美しい。十六歳も年上でありながら、頼経の心を捉えて離さなかった竹御所ももしかしたら、菊乃のような臈長けた美の持ち主だったのかもしれない。
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