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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
―雪は嫌いだ。大切なひとが亡くなった日、その年初めての雪が降った。
 初夜の床で頼経が呟くともなしに呟いた科白が今更ながらに思い出される。頼経は竹御所が亡くなって四年経った今も、最初の眉目麗しい妻を忘れられず、恋い慕っている。
 何故なのか、自分は惟章が好きなはずなのに、頼経がいまだに先妻を想い続けていると考えたたけで、ざらざらとした嫌な気持ちになってしまう。
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