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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
 頼経は白い夜着姿であった。その懐にスと手をやり取り出したのは短剣だ。
「貴様がどこの誰かは訊かぬ、私の妻と何を話していたのかも知らぬことにしよう。だが、それは貴様を庇ってのことではない。妻を守るためだ」
 頼経は静かな声音であったが、その端正すぎる面は凪のように静まり返っている。かえって、その怒りのほどが伝わってきて、瑶子は固唾を呑んでなりゆきを見守った。
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