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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
「それよりも私は、そなたの方が心配だ。心優しいそなたは、あのような酷い目に遭わされてもなお最後まで惟章を庇い通そうとした。あやつがそなたを愛しいと思うておるのはひとめで判る。そこまで惚れ抜いたおなごを攫うてゆきたいと思いつめる心も同じ男として判らぬではない。だが、あやつは嫌がるそなたを陵辱しようとし、最後は手を引かれて泣くそなたを見ても放そうとしなかった。あのまま私たちがそなたを奪い合っておれば、冗談ではなく、そなたの手は引き裂かれたやもしれぬ」