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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
 だから、私は手を放したのだと、頼経は呟いた。
「たとえ、そなたを失うことになっても、その手が引きちぎられてしまうよりはマシだからな」
「―」
 惟章は痛みに泣く瑶子を見ても手を放そうとしなかったのに、頼経は瑶子の苦しみ様を見るに見かねて手を放してくれた。すべては瑶子のためを想ってのことだった。
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