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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 その間にも、時繁は楓の不安を宥めるように、優しい手つきで太腿から脹ら脛を幾度も撫でた。
「この綺麗な脚に俺はひとめ惚れしたのかもしれないな」
「脚にひとめ惚れ?」
 その言い様がおかしくて、楓はクスクスと笑った。時繁が鹿爪らしい顔で頷く。
「そう、楓が小袖の裾をめくって綺麗な脚を惜しげもなくさらしているあの姿を見た時、俺は一瞬で恋に落ちたんだ」
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